“デザイン仕事を奪いあう”レッドオーシャンから、どう抜け出す? デザイナーのブルーオーシャン戦略。

“デザイン仕事を奪いあう”レッドオーシャンから、どう抜けだす? デザイナーのブルーオーシャン戦略。
アトオシとデザイン

この記事を書いた人:
グラフィックデザイナー
アトオシ(永井弘人)

  • 「グッドデザイン賞」受賞
  • 「タイポ年鑑ベスト賞」受賞
  • 「日本経済新聞」取材掲載
  • 日本タイポ協会員
  • アマゾン1位
  • プロ歴20年以上
  • YouTube登録者2万人ごえ
  • 著書『デザイナーのスキルアップ大全』
アトオシ(永井弘人)、プロフィールと実績

こんにちは。グラフィックデザイナーのアトオシ(永井弘人)です。

私は、企業やブランドの目的を形にする、「ロゴデザインとブランディング」をメインのお仕事にしています。

アトオシのブログでは、グッドデザイン賞の受賞や、日本経済新聞への取材掲載、プロ歴20年の現場経験をもとに。『ビジネスにやくだつ、デザイン思考』をお届けします。


デザイン中級者やフリーランスの方へ。あなたの仕事や生活をより豊かにするヒントを、リアルに紹介します。

目次

『デザイナーのブルーオーシャン戦略』とは?

さて。今回は、『デザイナーのブルーオーシャン戦略』について書きます。

デザインの技術やノウハウは、世の中にたくさん出回るようになりました。検索すれば、すぐに出る出る。Photoshopの使い方、レイアウトの黄金比、配色のテクニック……。

しかし、ある程度の実績とスキルがついてくると。「デザイン中級者」にとっては、仕事や成長視点にて、「物足りなくなるフェーズ」がやってきます。

そこから必要なのが、「デザイナー同士の『よりよい棲み分け』をどうつくるか?」という問いです。

この記事では、“レッドオーシャン = 競争の激しい領域”ではなく。

「自分にしかできない(自分だからこそやるべき)デザイン仕事」、いわば、「ブルーオーシャン = 新しいデザイン仕事の市場」をどう築くか? について。

アトオシ自身の経験や思考をベースに、「4つのステップ」に分けてお伝えします。

▲ こちらのYouTube内、ビデオポッドキャスト『ビジネスにやくだつ、デザイン思考』でも、同テーマを動画・音声にて配信しています。
(また、同内容をSpotifyでも配信しています)

01. 自分が「提供できる価値」は何か?

まず最初に。自分が「クライアントに提供できる『価値』」を、高解像度で「棚卸し」しましょう。

「ロゴが作れます」「バナーが作れます」……ちょっと待ってください! それでは、差別化になりません。レッドオーシャンに、ザブンとダイブしてる状態です。

たとえば、

「VTuber向け」「人物名ロゴデザイン」

「ビジネス系電子書籍」「装丁デザイン」

「美容業界・コスメブランド特化」「Webデザイン」

「中部地方の不動産業界」「チラシ・バナーデザイン」

……などなど。

「今まで、自分がやってきたデザイン仕事や実績」を振り返り。

その中から、「自分が携わった数が多い傾向やジャンル」「自分がやっていて、心が踊った共通点」を書き出しましょう。

こういった「具体性の整理」こそが、「他デザイナーとの違い = 提供価値を見つけるヒント」になります。

“100人のデザイナー”がいたとき。

「この『かけ算の領域』なら、自分が『1位』と言える」と思える、「経験値&ジャンル」を、ガツンとアウトプット。

「じつは自分では意識してなかったけど、気づいたら、この『かけ算の領域』だったら『1位』になっていた…!!」ということがきっとあるはず。(“ちゃんとやってきた”デザイン中級者ならば…!!)

だからこそ、ブルーオーシャン戦略の入り口として。この「定期的な振り返り&棚卸し」が超重要なのです。

02. 自分が持つ、「ユニークな強み」は何か?

次に大事なのが、自分が持つ、「ユニークな強み」

これは、“デザイン仕事のスキル”とは違います。

「ユニークな強み」とは、

・ 学生時代からアニメが好きで、「魔法少女系アニメ」にとても詳しい

・ サッカーチームに長年所属していて、「スポーツ現場の空気感」を知っている

・ 中高生の頃から「マーケティング」に興味があり、同人イベントでの集客やポップづくりを研究していた(私のこと)

……などなど。つまり、デザイン仕事に関係ない、“趣味”とかでもOK。

他人に言われてやったことではなく。「ついつい、やってきたこと」「心から楽しいと思って、続けてきたこと」

これらの「ユニーーークな、無意識の継続行動」の中にこそ。「あなただから築ける、ブルーオーシャン = 新たな市場のヒント」が眠っているのです。

03. その「価値とユニークさ」を求める、「クライアント」は誰か?

「01:提供できる価値」と「02:ユニークな強み」を書き出したら。

その「価値 × ユニークさ」を求める、「クライアント像」を超具体的に考えます。

ここで重要なのは、

・ その人は、「どんな業界」の人か?

「どんな目的」をもって、「仕事を依頼したい」と思うか?

「どんなデザイナー」に対し、「安心」「信頼」と感じるか?

……という視点。

たとえば、アトオシの場合。

ビジネスに効く、企業やブランドの「普遍的 = 永年、愛される」ロゴデザインを求める、クライアント(像)を重視しています。

それは、“ロゴがないから、とりあえず作ってほしい!”や“表現が刺激的な、一過性のイベントロゴを作ってほしい!”とかではなく。

「(企業やブランドの)目的を形にできる、心から納得いく表現」にて、5年10年と愛され、使い続けられる、「コーポレートロゴやブランドロゴ」など。

そのようなデザインを求める人は、圧倒的な「信頼感」「安心感」を求める可能性が高い。

つまり、そういった「クライアントの視点」からすると。

“カッチョイイ表現うまうま、20代の若手デザイナー”よりも。「ある程度の年齢を重ね、経験や実績を積んだ、中堅〜ベテラン世代に頼みたい」というニーズがある。という仮説。

つまり。プロのデザイナー歴20年、かつ、40代になった、アトオシだからこそ。

「優位性を築ける、ブルーオーシャン市場」=「『価値 × ユニークさ』を求めるクライアント像」が見えてくる。というわけです。

おぉし。こんな感じで、“経歴や年を重ねること”を“ポジティブ”に捉えるのです…!!

04. その「クライアントと出会う」には、どうすべきか?

最後は、「理想のクライアント」との「出会い方」

ここでやるべきは、以下のような行動です。

「自分のWebサイト」を、「理想のクライアント視点」で見直す

「提供価値 × ユニークさ」に基づいた事例を、「優先表示」する

「クライアントに響く言葉」を、「プロフィールや解説文」に入れる



ここでも、アトオシの場合。

「ビジネス」「信頼感」「永く愛される」など、「検索されそうなキーワード」「クライアントが求める言葉」を、Webサイト内にしっかり組み込んでおく。

そして、“単なる実績紹介”をするのではなく。「私はこういう考えで、このデザインをつくりました」という、「響くストーリー」を言語化する。

Webサイトの内容(原液)をもとに。各SNS特性にあわせ、「クライアントが声がけをしたくなる」コンテンツ発信をする。

このような、「情報&情緒」の「編集&優先整理」を通じて。

「私は、『どんな人』から、『どんなデザイン仕事』を依頼されたいか?」を明示するのです。

この「どんな人・どんな仕事」は、「既存にはない、媒体・視点・ジャンル」であり、「デザイン仕事の新たな市場(派生された市場)」になるわけです!!

あなたが想像する視点や需要の仮説が正しければ。「ブルーオーシャン戦略」は成功するでしょう。

もし、「価値とユニークさ」が見つからない場合は。

ちなみに。

「デザイン仕事の提供価値」や「ユニークな強み」が、見つからないよー! という方。

この原因は、「棚卸し」する内容、また、「デザイン実績の振り返り数・比較検証数」が少ないことが原因です。

ですのでは、さきに「場数を踏む = 経験値を上げる」ことをオススメします。

例えば、「あと10件、デザイン仕事を納品したら、棚卸し(振り返り)」をしてみよう、など。 まずは、意識的に経験を重ねる。

その中で、つど「棚卸し」をする。私は、この優先順にて、進んできました。ご参考までに!

日本から、“デザイン仕事の奪い合い”をなくす方法。

それでは、本記事をまとめます。

「デザイナーのブルーオーシャン戦略」は、“単なる差別化”ではありません。

現在、「まだ存在していない、新たなデザイン仕事やクライアント」を生み出すこと。

自分が「誰の、どんな悩みを、どんな方法で解決」できるのか? を明示すること。

その結果。

日本から“デザイン仕事の奪い合い”がなくなり、日本が「より豊か」になる。本気でそう信じています。

そのために、

01. 自身のデザイン仕事を振り返り、「提供価値」を明確にする

02. 自分の人生を振り返り、「ユニークな強み」を明確にする

03. 「提供価値×ユニークさ」を求める、「クライアント像」を言語化する

04. そのクライアントに響く、「Web・SNS」に改善する

……この4ステップを、丁寧に進める。

すると。他の誰とも被らない、「自分だけ = あなただからこそ」の市場ができるはず。

“デザイン、つくれます!”……それだけで仕事が来る時代は、もう終わりを迎えるでしょう。

だからこそ、これからの時代に求められるのは、「デザイナーのブルーオーシャン戦略」だと、私は考えているのです。

ありがとうございます!!

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アトオシが書いた著書、『デザイナーのスキルアップ大全のご購読、各SNSでのご意見やご感想の発信、Amazonレビューも大歓迎です。

この本の目的は、デザイン中級者が持つ、すべての悩みを解決し、持続可能な「より幸福度の高いデザイナー人生」を進むための本です。

読むと、よりよいデザイン成長ができる、「技術・仕事・時間・体調・人間関係」のつくり方がわかります。

▲ こちらのYouTube内、ビデオポッドキャスト『ビジネスにやくだつ、デザイン思考』でも、同テーマを動画・音声にて配信しています。
(また、同内容をSpotifyでも配信しています)

いつも本当にありがとうございます。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!!

グラフィックデザイナー
アトオシ(永井弘人)

“デザイン仕事を奪いあう”レッドオーシャンから、どう抜けだす? デザイナーのブルーオーシャン戦略。

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この記事を書いた人

アトオシ(永井弘人)のアバター アトオシ(永井弘人) グラフィックデザイナー

「グッドデザイン賞」受賞。「タイポグラフィ年鑑ベストワーク賞(ロゴデザイン部門 最優秀賞)」受賞。日本経済新聞、取材掲載。

日本タイポ協会員。プロ歴20年。アマゾン1位。YouTube登録者2万人ごえ。

「目的を形にする、ロゴデザインとブランディング」というコンセプトにて、グラフィックデザイン仕事をおこなう。

また、「ビジネスにやくだつ、デザイン思考を伝える」コンテンツを日々発信している。

著書『デザイナーのスキルアップ大全』『[新版] デザイナーになる! MdN』など。

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