仕事につながる、名刺デザインのコツ。つくる手順。プロが教える、いい作成法。

仕事につながる、名刺デザイン。考えかた、つくる手順。レイアウト・フォント・色・紙・印刷の決めかた。

この記事を書いた人:
グラフィックデザイナー
アトオシとデザイン

  • グッドデザイン賞受賞
  • アマゾン1位
  • アドビの先生
  • 吉本興業チャンネル出演
  • YouTube登録者2万人ごえ
  • プロ歴20年
アトオシとデザイン、プロフィールと実績
▲ アトオシとデザイン、プロフィールと実績
目次

この記事で、習得できること

この記事を読むと、仕事につながる、「名刺デザインのコツ・手順」を習得できます。

  • 自分の名刺をつくったけど、“このデザインがいい”のかわからない…。
  • 仕事につながる、名刺デザインの「つくりかた・いい手順」を知りたい…。
  • プロのデザイナーは、どうやって名刺をつくっているか、「コツと手順」を知りたい…。


…そんな、“疑問や悩みを解決”する記事です。

プロが行う、いい名刺デザインの「レイアウト・フォント選び・配色法」「印刷紙の種類・印刷加工の決めかた」を詳しく説明します。

最後までこの記事を読むと、「仕事につながる、名刺デザイン」「つくる手順・考えかた・コツ」がわかります。


この動画を見ると、より深く、「名刺デザインのコツ・手順」を習得できます◎



名刺デザイン、全体の流れ


まず、仕事につながる、名刺デザインの「全体の流れ」を説明します。

デザイン制作において、共通で大事なのは、「いきなり、ラフを描かない」「いきない、パソコンを使わない」ことです。

その上で、名刺デザインは、「前半:デザインの“方向性”を決める」「後半:方向性を“カタチ”に起こす」という流れでつくります。


前半:“方向性”を決める

  • 01. 「目的・ゴール」を決める
  • 02. 「コンセプト」を決める
  • 03. 「印象」を決める
  • 04. 「リサーチ」をする
  • 05. 「記載情報」の整理

…前半は、上記「5つの手順」です。



後半:“カタチ”に起こす

  • 01. 「ラフ」を描く
  • 02. 「レイアウト」の検証
  • 03. 「フォント」の検証
  • 04. 「色」の検証、全体調整
  • 05. 「紙・印刷」の決定、入稿

…後半は、上記「5つの手順」です。



…このように、「プロが行う、いい名刺デザイン手順」は、「前半と後半:計10の手順」があります。

今から、1つずつ、説明していきます。




前半:“方向性”を決める


01. 「目的・ゴール」を決める

まず、あなたがつくる名刺デザインの「目的とゴール」を考えることが大事です。

“目的”とは、「だれに渡して」「何が起きたら」ゴール達成と言えるか? これを、具体的に考えること。

例えば、

  • フォトグラファーの名刺:「交流イベントで出会った人」に渡し、「SNS用の撮影依頼」をしてもらう
  • イラストレーターの名刺:「アポイントをとった出版社の方」に渡し、「イラストの制作依頼」をされる
  • グラフィックデザイナーの名刺:「問い合わせをくれた方」に渡し、「正式にデザイン依頼を発注」される

…などです。

“あなたがやりたい仕事の対象”となる、“クライアント候補”とは「どのような人」か、決めましょう。

そして、その人が「仕事を依頼したくなる」デザインを考えることが大切です。

(*「よりよい“ブランディング”、プロの手順とコツ」を詳しく知りたい人は、コチラの記事をお読みください)


02. 「コンセプト」を決める

名刺デザインの「コンセプト」とは、「あなたの“強み・売り・魅力”」「一言で表した言葉」です。

例えば、

  • 自分の「性格」が、「真面目で誠実」なのが売り
  • 「制作仕事」を進める、「スピード・納期が早い」のが売り
  • 「描くイラスト」が、「甘くてカワイイ、女子むけのテイスト」が売り

…などです。

クライアント候補の方が、あなたの「コンセプト」に魅力を感じ、「仕事を依頼する」という要因の1つになります。

ですので、「あなた自身や所属する会社」の「強み・売り・魅力」を一言で表し、名刺デザインの「コンセプト」を決めましょう。

(*いいデザイン表現、“コンセプト決めのコツを詳しく知りたい人は、コチラの記事をお読みください)


03. 「印象」を決める

次に、名刺を受け取る人に、「感じてほしい印象」「与えたい印象」を決めましょう。

「デザインの“印象”」とは、

  • 「力強い」名刺
  • 「かわいい」名刺
  • 「クール」な名刺

…などです。

この印象は、「自分があたえたいイメージ表現」「クリエイターの自己アピール」にもなります。

つまり、「名刺」は「自分自身の分身」。名刺を受け取る人が、デザインを「見た瞬間に感じてほしい印象」「一言の言葉」で表しましょう。

“その印象”を好む人から、「仕事を依頼される可能性」も高まります。




04. 「リサーチ」をする

・リサーチをすべき「理由」

次に、「プロがデザインした名刺」「リサーチ」をしましょう。「リサーチをすべき理由」は、下記2点です。

  • 理由01. 名刺に「記載すべき情報」を決めるため
  • 理由02. 「いい表現方法」「気づきを得る」ため

この2つの目的を達成するため、「コンセプト視点」と「印象視点」から名刺デザインをリサーチします。


・名刺デザインのリサーチ、「オススメ本」

まず、「既存の名刺デザイン」が載った書籍を用意しましょう。

私のオススメは、“下記の3冊”です。

オススメ理由は、「プロがデザイン」した、様々な「業態・コンセプト・印象」の名刺が載っているからです。


・リサーチ01. 「記載すべき情報」を決める

次に、「名刺に記載すべき情報」リサーチのやり方を説明します。

先ほど紹介した、「名刺のデザイン書籍」をめくり、「クライアントの立場・視点」で、「“仕事を依頼したい!”と感じる名刺」に付箋を貼ります

そして、「その名刺デザイン」「“どのような文字情報”が記載されているか」メモしましょう。

例えば、

  • 名前
  • 肩書き(役職)
  • 電話番号
  • 住所
  • SNSのアカウント
  • キャッチフレーズ

…などです。


・リサーチ02. 「いい表現方法」「気づきを得る」

次に、「いい表現方法」「リサーチのやり方」を説明します。

まず、おぼえてほしい、「表現のリサーチ視点」は、下記3つです。

  • A. レイアウト
  • B. フォント
  • C. 配色

そして、例えば、あなたが、「コンセプト:優しい笑顔」と決めた場合

「名刺のデザイン書籍」をめくり、“優しい笑顔”を感じる、「レイアウト・フォント・配色」の「表現方法」を下記のように、メモしましょう。

  • A. レイアウト「余白が多め」の構成だと、“優しい笑顔”を感じる
  • B. フォント「角の丸いゴシック体」を使うと、“優しい笑顔”を感じる
  • C. 配色「淡いピンク」の配色だと、“優しい笑顔”を感じる

このように、「コンセプトを感じる表現方法」「印象を感じる表現方法」をメモします。

(*いいデザインづくり、“リサーチのコツ”を詳しく知りたい人は、チラの記事をお読みください)


05. 「記載情報」の整理

次に、「記載情報の整理」をします。

先ほどの手順で、「名前・肩書き・住所・電話・SNS」など、“必要な記載情報”をリストアップしました。

その上で、“仕事を依頼される目的”にて、「最も重要な情報」を選抜しましょう。同時に、「記載しない、不要な情報」も決めます。絶対に、“過不足ない状態”にしましょう!

「何を載せるか」「何を優先してみせるか」によって、「レイアウト構成」が大きく変わります

「名刺の記載情報」は、「料理の食材選び」と同じです。

「選択した情報・優先順位」が、完成名刺の味を決める、とても大事なポイントです。




後半:“カタチ”に起こす

ここから、前半の手順で決めた「デザインの方向性」を、後半にて「よりよいカタチ」にします。(*“デザインの勉強方法”を知りたい人は、コチラの記事をお読みください)



01. 「ラフ」を描く

まず、名刺デザインの「ラフ」を描きます。

「ラフを描く目的」は、「決めたコンセプト・印象」を表現する、「最適なレイアウトを検証」するためです。

「前半:04.リサーチ」のメモをもとに、「よりよい情報の配置」を考え、ラフを描きます。

重要なのは、「名刺の目的」にあわせ、「何を優先すべき情報」にするか、考えることです。

  • 例. 「自分の名前」を売り込みたいから、肩書きよりも、「名前」を大きく見せる
  • 例. 「めずらしい肩書き」を覚えてもらうため、名前よりも、「肩書き」を目立たせる
  • 例. 「SNSフォローされる」ため、名前・肩書きよりも、「SNSアカウント」を大きく見せる

この“ラフ段階”で、「レイアウト構成」を丁寧に考え、魅力的なラフを描きましょう。


02. 「レイアウト」の検証

次に、デザインソフト「Adobe Illustrator」を使い、「レイアウト制作・検証」をします。

  • レイアウト手順_01. “候補のラフ画”をもとに、「イラストレーター上」「記載情報をざっくり配置」します。
  • レイアウト手順_02. 「紙に原寸プリント」し、「“各要素”のサイズ感を確認」します。(“各要素”とは、余白・文字サイズ・ロゴサイズなど)
  • レイアウト手順_03. 「プロの原寸の名刺デザイン」と「自分の名刺デザイン」を横に並べて、「“各要素”のサイズ感を比較」します。そして、「改善の気づき」をメモします。
  • レイアウト手順_04. 上記“02・03”を確認した上で、「位置やサイズ感を調整」して、再度プリントします。
  • レイアウト手順_05. 上記“02〜04”を「繰り返し調整・検証」して、よりよいレイアウトをカタチにします。

(*参考動画:「Illustratorで名刺デザイン、プロのすべての手順。」)


03. 「フォント」の検証

次に、Adobe Illustrator で、「フォント選抜・検証」をします。

まず、「最初のフォント選抜用の言葉」「最も優先すべき情報」を選びます。(例えば、「名前:田中太郎」「会社名:JAL」「肩書き:グラフィックデザイナー」など)

フォント検証は、イラストレーターの「新規アートボード上」で行います。「文字の形」に注目するためです。

そして、“フォント種類を選ぶコツ”は、「与えたい印象」に合わせて選ぶといいでしょう。例えば、

  • フォント選抜の例. 「かわいい印象」を与えたい場合:「細いゴシック体」「丸ゴシック体」
  • フォント選抜の例. 「迫力のある印象」を与えたい場合:「太い明朝体」「極太なゴシック体」

…などです。

(*参考動画:「いいフォントの選びかた。知るべき、7種の書体。」)




04. 「色」の検証、全体調整

次に、Adobe Illustrator で、「配色の検証・選択」をします。

注意として、「レイアウト構成・フォント選抜」段階は、「モノクロ(白・黒・グレー)」状態にしましょう。

モノクロの方が、「レイアウト・フォント」の「よりよい判断」ができるからです。

そして、色を選ぶ時は、「与えたい印象」を軸に考えましょう。

  • 配色の例「明るさ」を出したい場合:「彩度が高い黄色」
  • 配色の例「かわいらしさ」を出したい場合:「淡いピンク」

また、“文字色”や“アンダーライン”など、記載情報を「視覚的に強調」する方法もあります。

「既存デザインの配色」から“印象・手法”をリサーチして、調整を行い、よりよい名刺デザインが完成させましょう。

(*参考動画:「Illustratorで配色デザイン、プロのすべての手順。」)


05. 「紙・印刷」の決定、入稿

名刺デザインが完成したら、「印刷する紙・印刷仕様」を決めて入稿しましょう。

まず、“紙の種類”は、「コンセプト・印象」に合わせて決めます。

  • 紙種”を選ぶ例. 「かわいい」印象:「ふわふわした、ファンシー系」の紙
  • “紙種”を選ぶ例. 「洗練されたクール」な印象:「ツルツルした、コート系」の紙

…というように、“質感”や“手触り”などで判断します。(*参考動画:「最高のグラフィックデザインにする、紙種の選び方を教えます。」)



次に、“印刷仕様”も、「コンセプト・印象」に合わせて決めます。

  • 印刷仕様”を選ぶ例. 「情緒な雰囲気」を与えたい:「活版印刷」
  • “印刷仕様”を選ぶ例. 「クール感」を強調したい:「クリアのPP加工」

…というように、“印刷加工”によって、「与えたい印象」を強調することができます。

また、“ベーシックなキレイさを求める”場合は「オフセット印刷」、“印刷枚数が少なくコストを抑えたい”場合は「オンデマンド印刷」があります。

特殊な加工を使わない場合は、「グラフィック」という印刷会社に入稿するのがオススメです。参考動画:「印刷会社の1番いい、選びかたは?」)


名刺を渡す時、「やるべきこと」とは

最後に。完成した名刺デザインを、クライアント候補の方に渡す時に、「やるべきこと」をお伝えします。

それは、「デザインの意図や想い」「ひとこと添える」ということです。

例えば、「この名刺のコンセプトは“優しい笑顔”です。だから、“○○の表現”になっています」など。

“名刺を受けとる側”は、「デザインの背景にあるストーリー」を聞くと、より「あなたの印象」が残ります。

ただし、相手が“興味がなさそうな場合”は、無理に話しすぎないようにしましょう。

「名刺を渡す相手」が、「あなたに仕事を依頼したくなる」ような、ステキな名刺デザインと渡し方を心がけましょう。




名刺デザインのコツ・手順、まとめ

仕事につながる、「名刺デザインのコツ・手順・作成法」について、まとめます。

◎ 前半:“方向性”を決める

  • 仕事を依頼されたい、「クライアント候補の方」はどんな人か、明確にする
  • 「あなたの強み・売り・魅力」を感じる、「コンセプト」と「印象」を決める
  • 決めた“コンセプト・印象”視点で、「既存の名刺デザイン」をリサーチする
  • 「必要な記載情報」を整理し、その中から「最も優先すべき情報」を決める



◎ 後半:“カタチ”に起こす

  • ラフを描き、“コンセプト・印象”を表現する、「最適なレイアウト」を考える
  • イラストレーター上で、「プロの原寸デザイン」と比較して、“よりよいサイズ感”を検証する
  • イラストレーター上で、“意図した印象”を軸に、「フォント検証」「配色検証」をする
  • デザイン完成後、“コンセプト・印象”視点で、「紙種・印刷仕様」を決定して、入稿する

“よりよい名刺デザイン”づくりのため、この記事が参考になると嬉しいです。

あなたが「やりたい仕事」がカタチになることを、心より願っています!


デザインのコツがわかる、SNS・YouTube

この記事が気に入ったら、ぜひ、「本ブログのお気に入り登録・記事のシェア拡散」をお願いします。

そして、“デザインのコツ”がわかる、私のツイッターフォロー・インスタフォロー・YouTube登録」をしてくれると嬉しいです!

また、興味がある方は、より詳しい“デザイン力のつけ方”がわかる、著書の入門書勉強本をご購読いただけると幸いです。

いずれも、今後のブログ執筆記事公開を続けるための、とても“大きな励み”になります!

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。



この動画を見ると、より深く、「名刺デザインのコツ・手順」を習得できます◎

仕事につながる、名刺デザイン。考えかた、つくる手順。レイアウト・フォント・色・紙・印刷の決めかた。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

“ブログ公開をつづける”ため、「この記事のシェア&拡散」の応援をお願いします◎
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アトオシとデザインのアバター アトオシとデザイン グラフィックデザイナー

グッドデザイン賞。アマゾン1位。アドビの先生。吉本興業チャンネル出演。YouTube登録者2万人ごえ。プロ歴20年。

「目的を形にする、ロゴデザインとブランディング」というコンセプトにて、グラフィックデザイン仕事をおこなう。

また、「“デザイナーではない人”にデザインを伝える」コンテンツを日々発信している。著書「[新版] デザイナーになる! MdN」など。

目次