デザイナー、最強のポートフォリオ。考えかた、つくる手順。デザイン会社へ就職。仕事受注の作品集。

デザイナー、最強のポートフォリオ。考えかた、つくる手順。デザイン会社へ就職。仕事受注の作品集。
アトオシとデザイン

この記事を書いた人:
グラフィックデザイナー
アトオシとデザイン

  • 「グッドデザイン賞」受賞
  • 「タイポ年鑑ベスト賞」受賞
  • 「日本経済新聞」取材掲載
  • 日本タイポ協会員
  • アマゾン1位
  • プロ歴20年以上
  • YouTube登録者2万人ごえ
  • 著書『デザイナーのスキルアップ大全』
アトオシとデザイン、プロフィールと実績
アトオシとデザイン、プロフィールと実績
目次

この記事で、習得できること


デザイナーにとっての「ポートフォリオ」は、「自分が行うべき、デザイン仕事の価値と意味」を伝える、重要な作品集です。

しかし、“どんな内容にすべきか、わからない…”“どんな構成にすればいいのか、わからない…”と悩む方も多いでしょう。

また、“単に作品を並べる”だけでは、「理想の会社への就職」や、「希望する仕事の獲得」はむずかしいと考えています。

この記事では、「理想のデザイン会社への就職・転職」する、また、「理想の仕事を獲得」することを目的とした、「最強のポートフォリオ」の考えかた・つくる手順を解説します。


▲ この動を見ると、より深く、「最強のポートフォリオ」の「考えかた・つくる手順」を習得できます◎



ポートフォリオをつくる、本当の目的とは

まず、ポートフォリオをつくる、本当の「目的・ゴール」とは。

5年後に、自分が本当にやりたいデザイン仕事」を実現することです。

そのためには、“ただ作品を集める”だけでなく、あなたの「将来のビジョン」から逆算して、「戦略的にポートフォリオを構成する」必要があります。

この記事では、「デザイン会社の就職を経て、5年後にやりたい仕事をやれるようにする」という流れを軸に、ポートフォリオの制作手順を紹介します。

(*“グラフィックデザインの仕事内容”を、詳しく知りたい人は、コチラの記事をお読みください)

最強のポートフォリオ、つくる手順

ポートフォリオ作成は、「方向性を考える:前半」と「形に起こす:後半」という、大きな2つのステップに分かれます。



【前半】ポートフォリオの「方向性を考える」


01. 5年後の「理想のデザイン仕事」を具体的に考える

まず始めに。5年後、あなたが「誰と」「どんな」デザイン仕事をしたいのか? これを、超具体的に言葉にしましょう。

例えば:

  • 「個人クライアントの想い」を形にする、「ロゴとブランディング」のデザイン仕事

  • 「新潟県の酒蔵」をクライアントとした、「日本酒の良さが伝わるパッケージ」デザインの仕事

  • 「エンタメ関係者」をクライアントとした、「映画や演劇の魅力を伝えるグラフィックツール」のデザイン仕事

このように、「具体的なビジョン」を言語化することで、「最強のポートフォリオ = 目標達成のための道筋」が見えてきます。

02. 就職先の一社目にて、「つけるべき力」を考える

次に、「5年後のビジョン」を実現するには、「どんな力」が必要か? これを言語化しましょう。

例えば、「ロゴデザインの仕事」をするなら:

  • 想いを汲み取る、「ヒアリング力」
  • スムーズな打ち合わせができる、「進行力」
  • よりよいロゴをつくる、「技術力」
  • つくったデザインをプレゼンする、「提案力」

「これらの力(または、優先してつけるべき力)を、身につけられる環境の会社」を、「就職先のデザイン会社」の1社目として選ぶことが重要です。

03. つけるべき力が身につく、「デザイン会社」を調べる

「理想の仕事に必要な力」を身につけることができる、「よりよい環境のデザイン会社」を見つける方法を教えます。

それは、以下のステップがおすすめです:

  1. あなたがやりたい、「デザイン仕事の事例」が載っている「デザイン書籍」を購入

  2. その「デザイン書籍」の中で、「気に入ったデザイン事例」を制作している「デザイン会社名」をメモする

  3. そのメモした「デザイン会社」の「WebサイトやSNS」を調べる

この段階では、そのデザイン会社が、現在求人をかけているかどうかは関係ありません。「将来的に、あなたが入社したい会社」を優先軸に見つけて、深く調べることが目的です。

04. 理想のデザイン会社が求める、強みと作品を考える

次に。調べたデザイン会社の「社長や人事の視点」から、「求めているであろう、デザイナー像・ポートフォリオ内容」を考えてみましょう。

そのポートフォリオに含めるべき、「作品の数と内容」を具体的に書き出しましょう:

  • 作品数:ロゴデザインを20点、パッケージデザインを8点、広告デザインを4点など

  • 作品内容:各作品には以下の情報を含める
    1. 作品媒体(ロゴ、パッケージなど)
    2. クライアント(依頼企業)
    3. ターゲット(例:21歳・女性・表参道在住)
    4. 制作サイズ
    5. 概要(作品の説明)

これらの情報は、あなたのデザイン力を「正しく評価」するために重要です。

05. 作品とポートフォリオの「制作スケジュール」を考える

「就職・転職活動の開始日」を具体的に決め、そこから「逆算したスケジュール」を立てましょう。

「ポートフォリオの制作スケジュール」を立てる手順は:

  1. 「各作品の制作期間」を決める

  2. 全作品完成後の「ポートフォリオ制作期間」を決める

  3. ポートフォリオ完成後、「就職・転職活動を開始」する

入稿日や納品日から逆算した「スケジュール管理」は、デザイナーとして「必要なスキル」でもあります。

【後半】ポートフォリオを「形に起こす」



01. ポートフォリオの「印象ゴール」を決める

前半の流れにて、「ポートフォリオの目的・作品数・見せる人」などを整理しました。

後半では、“ポートフォリオに入れる作品”が揃った後、「ポートフォリオ自体をつくる流れ」を説明します。

「完成したポートフォリオを見た人に、『どんな印象』を持ってほしいのか」を明確にしましょう。

例えば、「この人はロゴデザインが強くて、人と接するのが好きなデザイナーだ」など。この「意図した印象」を感じてもらえたら、1段階目のゴールです。

「印象ゴール」は、あなたが「就職したいデザイン会社が求める、デザイナー像と」一致していることが理想です。

02. 「全体構成・ストーリー・優先順位」を考える

まず、「優先して見せるべき作品」を考えます。「優先作品」は、ポートフォリオの頭の方にもってくるようにしましょう。

例えば、「ロゴデザインを強み」にするなら、「ロゴ関連の作品」を前の方のページに配置します。

次に、ポートフォリオ全体の「ストーリー展開」を考えます。例えば:

  • 「プロフィール」シートから始める↓
  • 作品カテゴリーの切り替わりに「余白」を設ける↓
  • 最後に見る人への「メッセージ」を添える…など

「ポートフォリオ全体の構成」を、「台割」(冊子全体のページ構成が見えるラフ描き)で計画すると、迷いなく進行できます。

このような「優先作品」「ストーリー展開」のよりよい見せ方を考える前に、「既存のプロがつくったポートフォリオ」を5〜10冊ほどみて、「リサーチする」といいでしょう。

「リサーチ時の気づき」を、上記例のようにメモして、自分のポートフォリオに反映、検証を行いましょう。

03. 「細かな記載内容」を考える

ポートフォリオ内、各作品ページに「記載すべき情報」は:

  1. 作品タイトル
  2. 作品媒体名
  3. クライアント名
  4. 作品のターゲット
  5. 制作サイズ
  6. 作品の一言説明

これらの情報があることで、見る人は「各作品の意図や目的」を理解し、「デザイン善し悪しを正しく評価」できます。

04. 「見開きのフォーマット」をつくる

次に、ポートフォリオの「見開きフォーマット」作成を行います。

まずは、既存のプロがつくったポートフォリオを「レイアウト視点」でリサーチし、「参考になるフォーマット」デザインを見つけましょう。

作品のサイズ感、記載情報のサイズ感、フォント、余白など、「レイアウト視点」での「気づき」をメモします。

その「気づき」を生かした「見開きフォーマット」のラフ描きをします。そして、「ラフ描き」をもとに、Adobe Illustrator でレイアウトします。

各見開きページでは、「一番の見せ場は何か」を考え、「優先すべき作品」を目立たせるレイアウトにしましましょう。

あなたが就職したい、「理想のデザイン会社」の特性(ロゴ重視、広告重視など)に合わせて、各サイズ感の強弱やメリハリをつけた、調整や検証を行いましょう。

(*“Illustratorにて、紙面デザインを作るコツ・作り方”を、詳しく知りたい人は、コチラの記事をお読みください)

05. 「全ページ」のレイアウト、全体調整を行う

まずは、全ページを仮のフォーマットでレイアウトし、プリントアウトしてクリアファイルに入れます。

ページをめくり、「全体の流れ」を確認しながら、「気になる点」を書き出し、改善していきましょう。

例えば:

  • 「作品の順番」に違和感はないか?
  • 「文字サイズ」や「テキスト量」は適切か?
  • 「印象ゴール」に到達できる内容になっているか?

“一度に完璧を目指す”のではなく、「全体のバランス」を見ながら、「徐々に調整する」ことが大切です。

ポートフォリオを「人に見せる」ときのコツ


人に「アドバイス」を求める場合

ポートフォリオについて、デザイン学校の先生やデザイン業界の先輩など、人に「アドバイス」を求める時のコツ・ポイントを紹介します。

ポートフォリオを“見せる前”に、以下内容を伝えましょう:

  • ポートフォリオの「目的・意図」は何か?(例:就職活動にて、「ブランディング系のデザイン会社への就職」を目的としたポートフォリオ)

  • 具体的に、「どの部分のアドバイス」が欲しいか?(例:目的を達するための、「各作品のクオリティ」は問題ないか? 「全体の作品数」は十分か? )

事前に上記を伝えることで、「より的確なフィードバック」を得やすくなります。

「就職・転職活動」や「仕事獲得」の場面

デザイン会社の面接時や、仕事発注前のクライアント候補者と会う時など。

それらのシーンにて、ポートフォリオを“見せる前”に、「自分の強み」を一言、伝えるといいでしょう。例えば:

「私は、『人の想いを形にする、ロゴデザインとブランディング』が得意です。これは、その内容を中心にまとめたポートフォリオです」

この「自分の強み」を伝えることで、「あなたの印象」が強く残り、「採用や仕事依頼の確率」を上げることができます。

共通の注意点は、「話しすぎない」こと

ポートフォリオを「見てもらっている最中」の注意点。

自分から話しすぎず、「相手の意見や感想を引き出す」ことに集中しましょう。

相手が「意見を言いやすい雰囲気づくり」を心がけることで、よりよい印象を与えられます。

まとめ


「最強のポートフォリオ」をつくるには、「5年後のビジョン」から逆算して、戦略的に取り組むことが重要です。

その流れは:

  1. 理想の仕事を明確にし、必要なスキルを考える
  2. そのスキルが身につく会社を調べる
  3. 会社が求めるデザイナー像と作品内容を考える
  4. 具体的なスケジュールを立てる
  5. 印象ゴールを決め、全体構成を考える
  6. 必要な情報を整理し、効果的にレイアウトする

そして何より、ポートフォリオを見せる際は、「自分の強み」を伝えつつ、「相手の意見に耳を傾ける」姿勢が大切です。

これらのステップを踏むことで。

あなたの「理想のデザイン会社」への就職・転職の可能性を高める、「最強のポートフォリオ」をつくることができるでしょう。

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最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


▲ この動を見ると、より深く、「最強のポートフォリオ」の「考えかた・つくる手順」を習得できます◎

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この記事を書いた人

アトオシとデザインのアバター アトオシとデザイン グラフィックデザイナー

「グッドデザイン賞」受賞。「タイポグラフィ年鑑ベストワーク賞(ロゴデザイン部門 最優秀賞)」受賞。日本経済新聞、取材掲載。

日本タイポ協会員。プロ歴20年。アマゾン1位。YouTube登録者2万人ごえ。

「目的を形にする、ロゴデザインとブランディング」というコンセプトにて、グラフィックデザイン仕事をおこなう。

また、「“ビジネスにやくだつ”デザイン思考を伝える」コンテンツを日々発信している。

著書『デザイナーのスキルアップ大全』『[新版] デザイナーになる! MdN』など。

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